2008年のスウェーデン映画。

ぼくのエリ、200歳の少女
きれいな映像と、美しい音楽が相まって、エレガントに
ゆっくりとストーリーが進んでいきます。
まるで初恋のラブロマンスのように。
そして、雪と氷に包まれた白くて静かな世界が、
独特の雰囲気を醸し出しています。
ラストは、哀しいハッピーエンド。
この後どうなるのか、いろいろ考えさせられます。
*
じっくり考えながら見なければなりませんが、
久しぶりに見た、素晴らしい映画でした。
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最近のハリウッド映画と違って、
派手なアクションも、
ショッキングな殺戮シーンも、
お金のかかったCGもありません。
ちょっとした仕草や表情から、
その奥にあるものを理解することを求められます。
まるで文学作品を読むような感じです。
それは殺人シーンにも表れます。
直接見せないことによるエレガントな怖さ。
ラストのプールのシーンは、本当に素晴らしい!
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この映画に深みを与えているのが、、、
途中のセリフにもありましたね。
女の子ではない?
人間ではない?
そんな疑問です。
日本語は子供であっても、性別によって話し方や言葉が違います。
同じ言葉でもアクセントやイントネーションが違ったりします。
例えば、自分のことを、幼稚園児の男の子はボク、女の子はアタシ、と言います。
英語だと、男の子も女の子も、どちらもアイ。
スウェーデンはどうなのかは知りませんが、ストーリーから考えるに
日本語より英語に近いのではないでしょうか。
それゆえに字幕の翻訳のしかたで、気付きにくかったのかもしれません。
女の子ではない?(なぜ女の子じゃなくなったの?)
人間ではない?(なぜ人間じゃなくなったの?)
ふたつの疑問を上手に絡めながら、ストーリーが進んでいきます。
見終わってから、ネットを検索して納得。
日本版は重要なワンシーンを意味不明になるように修正して、
素晴らしい映画を、芸術作品を、台無しにしていたのですね。
それだけが残念。
(HULU視聴)

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